【人を信じられない時】人間不信に悩むあなたへ　　　　　　text by Ｈｉｓａｓｈｉ　Ｋｉｋｕｃｈｉ　


■あなたは人間不信になったことがありますか？
人を信じられないと感じる時ありますでしょうか。人間不信のご相談を受けることがあります。「信じていたのに裏切られた」「人間なんて裏では何を考えているか分からない」「あの人は裏表がある」「信じていたわたしが馬鹿だった」皆さんそれぞれの人間に対する考えをお聞かせくださいます。人は関わりあって生きていますので人が信じられないと大変です。見る人、会う人、全ての人を疑ってると神経が磨り減ってしまいます。つらいです。
「人間を信じられない」と言う時、その方にとっての「人」や「人間」というのは具体的にどなたを指すのかお話してくださることもあります。人間と言ってもやっぱりいろんな性格の人がいて、いろんな考え、いろんな価値観、いろんな文化、いろんな個性がありますものね。（しかし一方で特定の人というよりも、街ですれ違う人や知らない人などに警戒心を必要以上に感じてしまってつらい想いをする方もいます）人を信じられないと悩んでいる方は本当は人を信じたい、心のお優しい方が多いような気もします。「人間不信」について真剣に悩んでいるその方の心の美しさに触れて、人って良いものだなとわたしはよく思います。（ちなみにわたしは子供の頃、犬にかまれたことがあって、しばらくの間、犬不信でした）

■自分のこと、信じていますか？
他人を信じるよりも自分を信じるほうが難しいという方もいます。「他人なんて信じられない！」というあなたもまたわたしから見ると「他人」です。皆自分のことを「わたし」って思っているけれど、皆誰かにとっては「他人」なんですね。なんか不思議ですね。皆「わたし」でもあるし「他人」でもあるんですね。不思議でもないですか？ちなみにわたしは明日からランニングするぞといつも誓うのですが、翌日のわたしは昨日のわたしをいつも裏切っています。昨日誓った時のわたしが他人のようです。

■「人を信じる」ってどういうことなんでしょう？
わたしにとっては「人を信じる」ということは誰かと言葉を交わすことかもしれないなと思います。あなたが今これを読んでくださっているのをイメージして語りかけている時、わたしはあなたを信じているのだと感じます。そして、人を信じられない、人間不信で苦しむあなたのために書きたいと思いました。2003年にカウンセリングルームSoundless voice設立物語に書いたように、わたしにもそういう時期があったからです。

人間不信で悩んでいるあなたがいろんな角度から考えるきっかけになったらいいなと思って書きました。面白しろおかしくも書きましたので不真面目に思われた方ごめんなさいね。人が信じられなくなるような、つらい経験をしてこられたことでしょう。苦しくなったときは、そうしたお話に耳をすませる場所があることを覚えていてくださいね。読んでくれてありがとう。

菊池　寿

岩手県出身、京都学園大学卒業、大阪府在住。
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