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SOUNDLESS VOICE設立物語 
2003年6月

相談の選択肢 悩む一人の人間として、あなたと同じ目線で』 

こんにちは。サウンドレスボイスの菊池 寿です。お会いできて嬉しいです。はじめに自分について少し語りたいと思います。

私は生きていく中で誰かに相談をする。という選択肢をかつて持っていませんでした。相談とは自分よりも経験をもった人に、あるいは専門的な知識を持った人に説教を仰ぐことと思いこんでいました。皆さんは説教を受けたことはありますか?両親に、友達に、先生に。人の話に耳を傾けるというのは大事なことだと私は子供の頃自然と習得しました。けれども、いざ何者かに説教される。私は説教をされる自分自身の経験からこのように思いました。「説教にしっかりと耳を傾けた。けれども到底受け入れられるものではない」と。また、「話を持ちかけて、話を聴いてもらいたかったのは私なのに、気付いてみれば説教を、話を聴いているのは私自身ではないか?」私はそれをしばらくの間、自分自身の課題なのだと感じました。

『私は人の説教に耳を傾け、受け入れることのできない人間なのだ・・・』と。

私が未熟なのだろう。私は説教にも積極的に耳を傾けるようになりました。受け入れるかどうか、それは自分自身で判断して。ともかく話だけは聴きました。説教する人はそれでたいてい満足します。

なぜなら説教する人は自分の説教という個人的な話を他人に黙って聞いてもらったからです。

説教にも種類があることを私は感じました。同じ事を話していても、同じ言葉を使っていても、その人が私のことを心の底から考えてくれている時には、言葉や説教の内容に関わらず、心に響きました。一方その説教が説教する人自身の自己満足から来ている場合にはそれを私の心が感じ取り、到底受け入れることはできませんでした。少年だった私が偏った見方をしていたと考える方が妥当かもしれませんが、私の少年時代の記憶では多くの場合、説教は説教する人の自己満足と切り離されたものではないと感じていました。そんな私は人に相談して説教を受けるくらいなら誰にも相談しないほうがましだと思っていたのでしょう。

誤解を考慮して言いますと、私は一人の人間の心に対する強制についての拒否を今話しています。

私ももう大人になった。少年の時の悩みは解消した。けれども今でもこう思います。

『人に説教するのも、されるのも好きじゃないなぁ』と。

学生時代には私は大きな悩みに直面しました。人間というものの醜さを強烈に感じ、人に会うのが嫌になってしまったのです。なぜ人は戦争をし、殺しあうのか?なぜ人は傷つけあうのか?なぜ口からでまかせを言ってその場を繕うのか?なぜ同じ人間なのに差別をするのか?悩んでいる時の私は偏った見方をしていたことでしょう。それらの理由を人間が醜いからだと最も簡単な結論を見つけるのはそんなに難しいことではありませんでした。私は理想家だったのでしょう。そのため現実を知るにつれそのギャップに苦しみ始めたのです。そして一番の問題はこういうことでした。

『私も醜い人間の一人なのか・・・』

人間の醜さを問題にしていた私は、自分自身も人間であることに突き当たり、そして問題にしている醜さがまず自分の中に存在していることを認めないわけにはいきませんでした。自分自身の中にある醜さと戦わなければなりませんでした。これは相当に骨が折れました。私は自分の中の欲をできる限り排除しようと試みました。すると何が好きで何が嫌いかが分からなくなりました。人は欲を無くしては生きてはいけないのだろう。正気を取り戻した時そう思いました。人間の美しさも醜さも両方認め、受け入れていくことが必要に感じられました。人は人を愛し、人を傷つけもする。それを受け入れること。この悩みの終着点はここにありました。しかし最も大事なことは悩みを解消したことではなく、誰に説教されることなく自分自身で終着点を見つけたと私自身が感じたことでした。これはカウンセリングを学び、個人を尊重する関係について学んだ時により一層強い想いとなりました。人は多かれ少なかれ常に誰もが悩みを抱えています。もちろん私もです。そんな時、心から理解をしようとしてくれる専門家に相談することができることを私は今知っています。自分のどんな話も否定せずに耳を傾け、笑うことなく、説教することなく、深く悩みを共有して共に歩むことができる関係を知っています。

結論は今の私は誰かに相談するという選択肢を持っています。そしてあなたも。

人は知識をいくらもってもお金をいくらもっても、地位を獲得しても、本質的には人はみな等しく同じ価値を持っている。私は楽天家かもしれない。それでも今の私はこう信じています。そしてこれが一番正しいとは言いません。何が一番正しいかよりも今の自分がこう信じていることが今の私にとって大切なことなのです。自分が信じていることを尊重し、同時に人が強く何かを信じていることをそのままに尊重します。

長い個人的な話を読んでくださってありがとう。

毎年3万人もの自殺者、人間関係の希薄化、価値観の多様化、ストレス社会、心の健康(メンタルヘルス)の必要性が叫ばれています。自分自身がどう生きるか?どのような価値観を育て信じていくか?そして自分の価値観を尊重し、他人の価値観を尊重し、人と人とが繋がる。悩んでいる人が孤独に陥らずに、ありのままの気持ちを話すことができる。そういった心のつながりを心理カウンセリングが提供し、悩み解消の一つの選択肢となればと考えています。

身近に利用できるメールカウンセリングを中心とした心理カウンセリングとその情報の質を高め、社会に貢献できるよう努力を続けていきます。

2003年6月 SOUNDLESS VOICE





2011年9月 9年目の物語「あなたがいきるには、あなたの物語が」 菊池 寿


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